数多くの多彩で美しい仏教寺院があるルアン・パバンの町

ルアン・パバンは、1995年にラオスで初めて世界遺産に登録された町です。町全体が世界遺産となっています。そのため、特に欧米から旅行者に人気があります。

ラオスで最初の世界遺産となったルアン・パバンの町の見どころ

ルアン・パバンは、ラオスの首都ヴィエンチャンの北400km、メコン川とカン川の合流点にある小さな町です。ルアン・パバンは、古くはアン・スワ、その後、シェントンと呼ばれていました。

現在のルアン・パバンという名は、「ルアン=大きな」を、「プラバン=守護仏とされてきた黄金仏像」のことで、「大きな黄金仏像」という意味です。

日本語では、過去にタイ語から起こしたローマ字表記が使われていたため、ルアンプラバン、ルアン・パバン、ルアンパバーンとも表記されます。

ルアン・パバンは、1353年に成立したラオ族の王国、ランサン王朝(1353?1975年)の王都があったという古都です。その後、セーターティラート王の時代に一時、地方都市となりましたが、1945年にルアン・パバン王がラオス全土の独立を宣言してから1975年にラオス人民民主共和国が成立するまで、ラオス王国の王都でした。

そのため、歴史的に価値がある美しい建造物が多く、また後に仏領インドシナの一部になった後も重要な地方都市として機能し続けた町です。現在も、ラオス北部の経済の中心地です。

ルアン・パバンの多彩な仏教寺院

町の中心部を流れるカーン川沿いには、約80もの仏教寺院があります。その歴史から、仏教寺院の建築様式も多彩です。

カーン川沿いの町の中心部近くにあるプーシーの丘には、屋根の形状が独特のルアン・パバン様式のシェントーン寺院(Wat Xieng Thong)、ウィスンナラート寺院など、美しい仏教寺院があります。

中でも、1560年にセーターティラート王により建立され、16世紀半ばに改築されたシェントン寺院は、現存するルアン・パバン最古の寺院です。

ルアン・パバン様式独特の美しい形状の寺院で、壁には黄金細工や鮮やかなモザイク壁画があり、ラオスで最も美しい仏教寺院とも称されています。

また、同じくルアン・パバン様式のマイ寺院(Wat Mai Monastery)は、18世紀に建立された市内最大の寺院。赤い五重の屋根が美しいカーブを描いており、寺院には金色に輝く仏像が祀られ、美しい木の彫刻で飾られています。

ルアン・パバンのマイ寺院(Wat Mai)

By: I G

あるいは、1513年にウィスンナラート王により建立されたウィスンナラート寺院(Wat Wisunnarat)。巨大な仏塔がある、境内にはタート・パトゥムと呼ばれる巨大な仏塔があります。シェントン寺院やマイ寺院とは、また異なる魅力がある寺院です。

ウィスンナラート寺院(Wat Wisunnarat)

By: I G

あるいは、緑と金で覆われた巨大なナーガ像が印象的なワット・タート・ルアン(Wat That Luang)や、ベトナム様式のパバートタイ寺院等、実に多彩です。

プーシーの丘に面したメコン川を背に街の中心部に位置する旧王宮は、フランス植民地時代の1909年に王族一家の住居として建てられたものです。現在は、「王宮博物館」(Royal Palace Museum)となっており、ルアンパバーンの王宮時代の調度品、贈答品などが展示されています。

ルアン・パバンの旧王宮

By: WIL

オレンジ色の袈裟を着た僧侶たちの圧巻の托鉢

ルアン・パバンの見どころは多くありますが、その一つがルアン・パバン名物の「托鉢」です。各寺院の僧侶が町中を素足で練り歩く「托鉢」は圧巻の光景です。

オレンジ色の袈裟を着た、素足の僧侶達が町中を一列に練り歩きます。僧侶達が肩にぶらさげた丸い壺を地元の人々の前に差し出すと、ラオス人たちはお米やパン、あるいは花を取り出して、壺の中に差し入れます。

托鉢は毎朝5時30分頃から始まります。ルアン・パバンを訪れたなら、是非、早起きししましょう。実際に托鉢を体験することもできます。

ラオスの伝統的な建造物とコロニア風都会的建造物の融合

ルアン・パバンの町がユニークな理由の一つが、ラオスの伝統的な建造物とヨーロッパのコロニア風都会的建造物が見事に融合していることです。

19世紀から20世紀の植民地建造物が融合した見事な景観は保存されている点が高く評価されています。この当たりも、欧米人旅行者に人気の理由の一つです。

ルアン・パバンの詳細地図

世界遺産・ルアン・パバンの町の概要

名称 / 英語名
ルアン・パバンの町 / Town of Luang Prabang
種別
文化遺産
登録基準
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
登録基準とは?
登録年
1995年
公式オサイト
ユネスコ / UNESCO 公式サイト内の Town of Luang Prabang ページ