カオ山の麓にあるラオス最大のクメール遺跡・プラーサート・ワット・プー(Wat Phou)

「プラーサート・ワット・プー (Wat Phou)」は、ラオス南部チャンパーサック県にあるカオ山の麓にあるラオス最大のクメール遺跡です。インドシナ半島を流れるメコン川の西岸から約6キロ程、離れたところに位置しています。

チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群の解説

「プラーサート・ワット・プー (Wat Phou)」は当初、クメール文化が栄えた11世紀頃にクメール人が宮殿として建設されたとされています。

「プラーサート・ワット・プー (Wat Phou)」は、自然の巨大岩石が頂上に直立するというユニークな自然景観を備えており、遺跡ののレンガや石には、芸術的な彫刻が施されています。

もともとクメール人の宗教であったヒンドゥー教を基にしたお城でしたが、13世紀頃からタイ・ラーオ系民族が南下し、ラーンサーン王国時代にラーオ族の勢力があたりを占拠すると、この城が神聖視されるようになり、ほとんどの遺跡が上座部仏教寺院として位置づけらるようになった経緯があります。

遺跡は聖山に向けた参道に設けられ、左右に二つの回廊式の宮殿があり、参道を登った先に本堂があります。

また、周辺には13世紀の古代集落群からなる都市遺跡が残されています。

2001年に、考古学的遺跡と自然景観が組み合わされた遺産としてユネスコの世界遺産に登録

1988年ラオス政府は、ワット・プーを含む地域と、近隣の寺を中心とする2地域、合計3地域からなる広域な地区を、ワット・プーの関連遺跡および周辺の自然を守るために保護地区に指定しています。

1997年には大統領令で、遺跡の保護枠が明確に定められています。

そして、2001年12月にワット・プー(ヒンドゥー寺院の廃墟)とその周辺を取り巻く遺跡群がユネスコの世界遺産に登録されています。

チャンパサックにあるプラーサート・ワット・プーの詳細地図

プラーサート・ワット・プーの概要

名称 / 英語名
チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群 / Vat Phou and Associated Ancient Settlements within the Champasak CulturalLandscape
種別
文化遺産
登録基準
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
登録年
2001年
公式サイト
ユネスコ / UNESCO 公式サイト内の Vat Phou and Associated Ancient Settlements within the Champasak CulturalLandscape