グヌン・ムル国立公園は、ボルネオ島のマレーシア領内のサワラク州北部にあるムル山の非常に豊かな生物多様性を持つ自然公園です。
2000年にユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されています。
なお、「グヌン」とは現地の言葉で「山」を意味することから、日本語ではムル山国立公園とも表記されます。
グヌン・ムル国立公園の解説・紹介
グヌン・ムル国立公園は、標高2,377メートルのムル山の山頂を含めて石灰岩質のカルスト地形となっています。
地下には総延長が約175kmあるクリアウォーター洞窟系や約50kmもあるベナラット洞窟系など世界最大級の巨大な洞窟群が広がっています。
これまでに100を超える洞窟が発見されており、その内幾つかの巨大な洞窟が一般公開されています。
クリアウォーター・ケイブ
「クリアーウォーター・ケイブ」は、東南アジアで最も長い洞窟で、総延長は約175kmにも及びます。洞窟の入り口からは、文字とおり、清流が流れ出ています。
ディア・ケイブ
「ディア・ケイブ」は、世界最大の空洞の一つです。かつて沢山の鹿が水を飲みに来たことに由来しています。
洞窟の入り口は高さ120メートル、幅175メートルもあり、洞窟内部には数百万匹ものコウモリが生息しています。
夕方になると、コウモリが一斉に雲のように飛び立つ風景を見ることができます。グヌン・ムル国立公園の代表的な観光スポットの一つとなっています。
サラワク・チャンバー
「サラワク・チャンバー」は、世界最大の地下空洞として知られています。ジャンボジェット機が40台も収容できてしまう程の広さを誇っています。
動植物の宝庫
グヌン・ムル国立公園は、動植物の宝庫です。ボルネオ島のジャングルは、アマゾンやアフリカ大陸に存在するジャングルより古いといわれています。
52864haにも及ぶ公園内の熱帯雨林のジャングルには、300種類を超える鳥類や哺乳類が生息しており、約3500種にも及ぶ維管束植物があります。中でもヤシの種類は豊富で100以上が確認されています。
グヌン・ムル国立公園へのアクセス
「コタキナバル空港」からグヌン・ムル国立公園の玄関口となる「ムル空港」まで、直行便が運航しています。所要時間約1時間。
同じサラワク州内にあるクチンやミリからも国内線のフライトがあります。
「ムル空港」から「グヌン・ムル国立公園」公園事務所まで車で約10分。あたりにには、宿泊施設や、レストランやギフトショップもあります。
グヌン・ムル国立公園の詳細地図
グヌン・ムル国立公園の概要
- 名称 / 英語名
- グヌン・ムル国立公園 / Gunung Mulu National Park
- 種別
- 自然遺産
- 登録基準
-
(7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
(8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには、生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
(9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
(10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。 - 登録年
- 2000年
- 公式サイト
- ユネスコ / UNESCO 公式サイト内の Gunung Mulu National Park ページ