キナバル自然公園(Kinabalu Park)は、ボルネオ島北端部のサバ州にあるマレーシアの国立公園です。東南アジアの最高峰である標高4,095メートルのキナバル山を中心に、3つの山から構成されています。2000年にマレーシア初の世界遺産に登録されています。
キナバル自然公園の解説・紹介
キナバル山がそびえるボルネオ島のジャングルは、南米のアマゾンやアフリカ大陸にあるジャングルよりも古いと言われており、他では見られないような珍しい動植物が多数生息していることでも有名です。
キナバル自然公園は高低差があることから、低地熱帯林から高地熱帯林まで多様な環境が広がっています。世界最大の花とも言われるラフレシアをはじめ、食虫植物として有名なウツボカズラ、あるいはキナバル山にだけ生息するスリッパ蘭などが原生しています。
なお、「キナバル」の「キナ」は、中国語で中国、「バル」は未亡人という意味で、キナバル山付近には中国に帰国した夫を偲ぶ先住民の妻の伝説が残されています。
公園内には、約7900種の植物、200種の哺乳類、600種の鳥類、3000万種もの昆虫類が生息しています。まさに「自然の宝庫」です。
約754平方キロメートルもの広大な敷地面積を持つキナバル自然公園内には、温泉施設、植物園、ホテルやロッジなどの宿泊施設も備えています。
東南アジア最高峰、キナバル山をトレッキング
東南アジアの最高峰である標高4,095メートルのキナバル山を登る場合は、事前予約が必要です。
登山に相応しい服装、靴、雨具、非常食などの準備をしっかりとしていきましょう。
キャノピーウォーク(Canopy Walk)
キナバル公園を訪れたら、気軽に自然を楽しめる「キャノピーウォーク」もおすすめです。
キャノピーウォークは、キナバル公園内の自然や動物を観察するために作られた、地上40メートルの木に架けられた吊り橋です。
全長157メートルもある吊り橋から見る、眼下に広がるジャングルは絶景! 人気のアトラクションとなっています。
キャノピーウォークの近くには、滝や、珍しい蝶を集めたバタフライファーム、コウモリが生息する洞窟などもあります。ボルネオの熱帯雨林を楽しむことができます。
旧日本軍が掘り当てたポーリン温泉(Poring Hot Spring)
「ポーリン温泉」はキナバル自然公園から車で20分程の距離に位置する温泉です。
太平洋戦争時代に日本軍が掘り当てたもので、1970年代に整備されて、国立公園の一部となっています。
なお、「ポーリン」とは現地の少数民族であるドゥスン族の言葉で「竹」を意味する言葉です。ポーリン温泉付近には大きな竹が茂っています。
共同浴場には大小のお風呂があり、蛇口をひねって温泉の温度を調節できます。広い温水プールや、有料個室浴場、足湯のスペースも備えています。
登山やトレッキング、ハイキングの後に訪れて疲れを癒やすことができます。
キナバル自然公園へのアクセス
日本からは、東京(成田)からコタ・キナバル国際空港への直行便が運航しています。
マレーシアの首都、クアラルンプールからは、コタ・キナバル行きの便が毎日、かなりの便数のフライトが運航しています。
コタ・キナバル市内からキナバル自然公園までは、バスやタクシーを利用して約90分。
キナバル自然公園の観光ポイント・スポットは、キナバル自然公園内に点在しています。ガイド付きのツアーに参加するのも一つの方法です。
キナバル自然公園の詳細地図
- 名称 / 英語名
- キナバル自然公園 / Kinabalu Park
- 種別
- 自然遺産
- 登録基準
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(9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
(10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。 - 登録年
- 2000年
- 公式サイト
- ユネスコ / UNESCO 公式サイト内の Kinabalu Park ページ